不信感
若い頃から結婚願望が強くなかった。
モテないとか女に縁がないとか、そういうことも理由のうちだが、ある時を境に人が信じられなくなり、結婚なんて、ばかばかしく感じた。
だが、わたしも人の子である。
寂しさを感じ、パソコン通信を始め、あれよあれよと言う間に、子連れの女と一緒になってしまった。
世の中すべてがパッピーに感じられ、おれみたいな奴でも、選ばれた人間なんだとおこがましいことを思っていた。
自分に降りかかる出来事は、何でも克服できると思っていた。
「おれが世界の王様」のような、そんな傲慢さが心の底に巣食っていた。
けれども、神様は公平である時間が経つにつれ、自分と共有する人間がいることに息苦しさを感じた。
血を信じはしないが、しかし、血縁のない家族、言わば人工的な家族を作ったことに公開を覚えた。
そうして、だんだんだんだん自分で自分が信じられなくなり、とうとう離婚に至った。
正直、しばらくは独りを楽しみたい。
たまに、いわゆる婚活の権化のような、結婚相談所から電話があったりする。
わたしは、ことごとく断っている。
「幸せに巡り合えるかもしれませんよ」
金を払って、幸せが得られれば、それほど楽なものはない。
わたしは婚活に否定的である。むろん、わたし個人の思いである。
婚活の存在自体を否定するほど、やきもちも起きなくなってしまった。